演劇デザインギルド

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私たちは、多様な人たち、様々な場所で活動をしています。ですから、その活動のあり方も様々です。主催する団体や参加している人たちと「こんなことがしたいな」「こんなことが出来ると良いのだけれど」ということを話しあいながら、活動の具体的内容を決めていきます。演劇にいろんなジャンルがあり、ジャンルの中にも多数の作品があるのと同じです。
といっても、私たちが基本としている活動はあります。そのいくつかをここに紹介いたしますが、この全てを行うわけではなく、いくつかを組み合わせながらワークショップや講座を構成したり、劇づくりに向っていきます。

からだを使ってゲームをします

私たちは、多くの場合ゲームから始めます。互いを知り合うようなゲームから、仲良くなるゲーム、少し演劇的なゲームなど様々です。
ストレッチや体操、ただ声を出すだけ、という場合もあります。これからの時間を安心して過ごせるように心がけています。
他にも、絵を描いたり、歌を歌ったり、工作したりと、演劇だけでなく様々な美術的・音楽的要素を取り入れて、楽しめるように工夫しながら活動しています。

Give me a Shape & Space(ギブミーシェイプ、スペース)

からだを使って「物の形」や「場所」時には「抽象的なイメージ」も表してみます。
例えば「自転車」を数人で表現することは、「演劇をやるぞ!」という緊張感をほぐしたり、グループ作業になっていくので、グループ間の呼吸を探っていったりします。
また表現の幅を広げていく可能性も見つけていきます。

人間彫刻(にんげんちょうこく)

文字通り、人間が彫刻(像)になります。言葉では伝えることが難しいことも、からだを使うと理解できたり、感じることが出来ることもあります。
例えば、一人が彫刻家になり、もう一人の人の身体を使って「怒り」の彫刻をつくったとします。その時の怒りがどこに向っているのか、客観的に見るとどんな風に見えるのか?彫刻(像)の人はその形をするとどんな気持ちになるのか?など、身体を動かしながら検証していきます。
グループで群像をつくれば、例えば、彫刻(像)の位置を変えると関係性が変わってくることもあります。
こうやって頭だけで考えるのではなく、からだを使って様々なことを考える手法です。

聞き書き(ききがき)

取材(インタビュー)をして、その言葉を書き起こしていく作業です。話してくれた方が一人で話し続けているかのように、一人称で書き起こしていく文章です。
自分で「語る」ものや自分史を書くのとは少し違います。聞き手がいるために、聞き手に分かるように、また聞き手も読み手に分かるように書き起こしていきます。語り手だけでなく聞き手の興味や意図も現れてきます。
私たちは、時に、この聞き書きを声に出して読むことを舞台上で行います。シンプルですが、とても力のある舞台発表になります。

ドラトラ(ドゥラトゥラ)

タガログ語で「詩劇」という意味です。
6人前後のグループで行うことが多いですが、最初は一人一人「五行詩」を書きます。
物や事柄について

・名詞
・動詞
・形容詞、形容動詞
・連想すること、空想、思い出
・意見

という5つの側面から思いつく言葉を置いていきます。メモしていくといっても良いかもしれません。
できたメモを、今度はバラバラにして(文字通りハサミでチョキチョキ切ったりして)、グループ全員の言葉で新しいグループの詩を作ります。

・誰の視点か
・繰り返す言葉で強調できることはあるか?
・始まり方と終わり方を工夫する
・言葉遊びを楽しむ

など、グループで作業するのはそれだけで楽しい作業です。
出来たグループ詩を、今度は読む工夫をします。

・声の大きさ
・一人で読むのか複数人で読むのか
・間を空ける
・動きながら読む
・読んでいる人の横で何か身体で表現している人がいる

など、演劇的な工夫をして、自分たちの伝えたいことを詩劇にして発表します。

取材劇(しゅざいげき)

文字通り、取材してつくる演劇のことです。これこそ色々な方法があるので、「これだ!」とは言えません。
例えば、前述の「聞き書きを読む」のも取材劇になりますし、「ドラトラ」もそうです。ドラトラは取材対象より取材者の思いの方が強くなる場合が多いようですが。もちろん、取材したことを再現するというのも取材劇です。
また、劇の上演(発表)も舞台の場合もありますが、会議室や教室、取材したその場所でやってしまうなど、その上演(発表)の場所の雰囲気によっても大きく変わります。

フォーラムシアター

直訳すると「討論劇」とでも申しましょうか。簡潔に言うと

1:短い劇(5分から長くても20分)の劇を一度上演します。その劇には様々な問題が含まれています。多くの問題は、そのフォーラムシアターを上演する場の、その集まりのテーマに関係するものです。例えば、ハラスメント、ジェンダー、日本に住む外国人との関係、家族の問題、患者と医療技師の問題、グループ活動で起こる問題(役員決め)等です。
問題が多く含まれていますが、「ん?」「へんだな」「一言いいたいぞ!」と思っても、グッと我慢をしてもらいます。

2:もう一度同じ劇を上演します。その時には先ほど ん?」「へんだな」「一言いいたいぞ!」と思い、グッと我慢をしてもらったところで、劇を止めてもらいます。手を上げたり、「ストップ!」と声をかけたりして下さい。

3:ストップと声をかけてくれた人に意見を言ってもらいます。可能であれば劇中の登場人物になりかわって、役として意見を言ってもらいます。そして劇をドンドン変えていってしまいます。言い返された役の人は、それまでと態度が変わるでしょうか?何かに気づくでしょうか?また、苦痛だった人はその苦痛から逃れるような結末になるのでしょうか?

どうやったら変わるのか試してみたり、普段は言えないことを言ってスッキリしたり、また言えないことを言うための練習になったり、フォーラムシアターの可能性はたくさんあります。

私たちが気をつけているのは、目的が正解を見つけることではない、ということです。いろいろな意見が出ることが主たる目的です。そうでないと討論になりません。そうではないと「討論劇」ではなく「正解を当てよう劇」になってしまいます。日常の様々なことは、そう簡単には変わらないですしね…。

フォーラムシアターは、上手い役者が必要なのではなく、その問題に直面している人が必要です。ステレオタイプ的な話より、細かいかもしれないけどより具体的な事柄(例えば箸を洗った後、どちらを上に向けて置いておくかなど)が劇をリアルにします。ですので、私たち(演劇デザインギルドのメンバー)だけでつくることはなく、毎回、依頼をして下さった方(団体)と一緒に、話しあい、取材し、それから劇をつくっていきます。時代、場所によって問題は変わります。「これ」という決まった劇を毎回上演しているわけではなく、毎回ゼロから一緒につくっていきます。

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(補足)ここにあげたものの多くは、私たちが直接的・間接的に大きな影響を受けたPETA(フィリピン教育演劇協会)やアウグスト・ボアール(ブラジルの演出家、1931-2008)などの手法を、日本や現在の社会状況に合わせ、私たちが少しずつ変化させてきたものです。影響は受けていますが、PETAやボアールの手法とは少し違うかもしれません。また、今後も少しずつ変わっていく可能性もあります。


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