DV防止フォーラム2007 フォーラムシアター&講演 ~日常にひそ む暴力~

2007.11.25 すずきこーた
DV防止フォーラム2007
フォーラムシアター&講演 ~日常にひそ む暴力~

 先日、11/10(土)に、With You さいたまにて、フォーラムシアターを行いました。雨の降るあいにくの天気でしたが、80名程が来てくださいました。

 私はこれまでいくつかのフォーラムシアターを行ってきましたが、 DVについてのフォーラムは初めてでした。ショーケースをつくっている時も「こんな感じで良いのかな?」と全体の構成を悩みましたし、「もっとコワイ感じにするには…?」なんて、いわゆる役作りみたいな事でも悩んでおりました(自分を養護するわけではないのですが、僕は人に悪口を言ったりするのが不得意だと思います……)。

 ショーケースは、大きくは3つのシーンで構成されています。

 1:若いカップル(まだ結婚はしていない。でもそろそろ…)の場面
2:上のカップルの彼女の方が、友人に相談する場面
3:別な夫婦の話。夫の(言葉の)暴力から逃げるため実家に帰ってきた妻の話

 1の場面では、色々プレゼントをするが、束縛したい彼が「俺の女だろ?」と言ったり、「他の男の電話番号などを、携帯のアドレスから消してしまう」などの場面をやりました。この時「反応はどうだろう?」と不安に思っていたのですが、場面が終わった時に見ていた人から「ムカツク~」という声が聞こえ、変な話ホッとしました。「ムカツク~」で「大丈夫だ!」と思ったのです。実際にフォーラムが始まると、様々な意見が飛び交います。「携帯を見せろ!」と彼に言われても「私を信用できないの?」と言うなど、ちゃんと言い返すやり取りが意見として出てきました。

 2の場面では、彼の事を友人に相談するのだけれど「何~?結局ノロケ??」みたいな流れになってしまい、彼女自身も「そっか、私は愛されてるってことなんだ…」みたいに納得してしまう場面です。ちゃんと話を聞いてあげる友人をやってくれた人が多数出てきました。結婚してもろくな事がないから、早く別れろ!なんて過激な(でもすごく真当な)意見も出ました。

 3の場面では、「ちょっと位我慢しろ、それが妻の務めだろ」「彼(夫の事)は素晴らしい人じゃないか、若いのに都内にマンションまで買って」と全然理解してくれない父親が出てきます。夫の暴力から逃れてきたのに「早く帰れ!」と娘(妻)を追い返してしまいます。そこに「とっても娘に甘いお父さん」が客席からあらわれて「良いよ良いよ、いつまででもこの家にいてもいいんだよ」という意見が。それでは解決 しないかもしれませんが、父親の気持ちが現れた瞬間でした。娘(妻)にちゃんと言うべきだ、という意見も出ましたが、やはりなかなか親には言えない、という意見も沢山出ました。

 ただ時間が短くて、一つの事例にかけられる時間が少なかったのが残念でした。
この文面では伝えきれないほどの盛り上がりを見せ、その後の川畑真理子さんの講演も、私たちのフォーラムシアターを汲み取ってお話をしてくださったので、参加者の方には分かりやすかったと思いますし、そして、何を考えるべきかを考えさせてくれる講演だったと思います。

水俣に世田谷のゆうじ屋が出店!?

2007.10.21 福原忠彦

水俣に世田谷のゆうじ屋が出店!?

 去年、演劇デザインギルドは水俣病公式確認50年事業の中で、水俣に住む人たちと胎児性水俣病患者・障がい者の想いを伝える創作舞台『水俣ば生きて』を製作しました。
今回、創作舞台のメンバーを中心に“水俣ば生きる会”を発足。楽しく生きるシリーズと銘打って9月2日に水俣市もやい館で第一弾の催し『ゆうじ屋のお料理トーク』を行いました。ゆうじ屋は東京の世田谷区に住む、自称「言葉で作る料理人」の実方裕二さんが運営しています。「スパイスはもっと多く」「もっと細かく切って」脳性麻痺で手足が自由に動かせない裕二さんは介助者に指示を出しながらカレーやケーキなどの素敵な料理を作ります。演劇デザインギルドからは成沢・花崎・福原の三人が参加、現地で制作や進行を手伝いました。


▲埋立地浸水護岸にて。裕二さんと成沢さんおじさんふたり
あわただしい日程の中、裕二さんの「海に行きたい」という願いが一瞬かないました。

「失敗をしてみないとわからない!」

▲卵を割ることに挑戦する坂本しのぶさん。徐々にコツをつかんでいきます。
午前中は『ゆうじ屋のだれでも楽しくできる料理教室』。

 胎児性水俣病患者や障害者の人たちと介助者がペアになって親子丼を作ります。親子丼は裕二さんがはじめて作って失敗した料理だそう。「失敗をしてみないとわからない!」裕二さんに励まされながら三つのチームが料理に挑戦しました。当初、障害者は指示をすること、介助者は指示を聞くことが求められたのですが、やり始めるにしたがい、自分で挑戦する胎児性の人や障害者が続出。慣れない手つきで卵を割ったり、野菜や肉を切ったり。悲鳴とともに嬌声も。仲間が頑張る姿に大いに盛り上がりました。昼食時にはあちこちで親子丼の試食しあう姿がありました。

いつもと違うレイアウトで

▲始まる前の様子
 午後はメインの『ゆうじ屋のお料理トーク』。約70人の人が参加。前日、「料理を出すところも見せものにしよう」「テーブルで食べられたほうがいい」たくさんのアイディアが出て、パーティー形式の会場になりました。お客さんもくだけた雰囲気で隣の人とおしゃべり。ゆうじ屋の紹介映像やトークを楽しみました。


▲去年参加した小学生もかけつけてくれました
中学生になった今年は身長ものびてちょっと大人に。
そもそもどうしてゆうじ屋が行ったかというと


▲裕二さんと長井さんの対談
 ふたりは言語障害があるので、聞いた言葉をそのまま、健常者が客席に伝えます。

 今年の2月に胎児性水俣病患者の長井勇さんが東京に来た際、裕二さんと出会い、水俣の人たちにも紹介したいという思いがきっかけで今回のイベントにこぎつけました。そこで、裕二さんと長井さんの対談も実現しました。長井さんの提案でおふたりの子ども時代のことを話し合いました。

ゆうじ屋名物漫才トーク!!

▲女子大生がたくさんいる客席につっこむ裕二さん
 介助者と息のあった漫才トーク。奇声を発し、車椅子のランプを点灯しながら、文字通り、暴走しまくる裕二さんに、介助者の三木さんが容赦なくつっこみます。会場は笑いっぱなし。裕二さんのパワーに圧倒されています。なにより、たくさん来てくれた胎児性の人や障害者の人が喜んでいたのが印象的でした。

ぼくがどうして料理を始めたかというと・・・
 最後に裕二さんの講演。こちらは漫才とはうってかわって真剣に。(いや、漫才も真剣でした。)裕二さんがいままでいろいろな人に出会い、自立生活、さらにはゆうじ屋を始めるに至った経緯を話しました。人にやってもらうことがあたりまえだと思っていた子ども時代。健常者の人との失恋。当事者運動との出会い。自分にできることは・・・。会場全体が裕二さんの言葉に耳を傾けました。

 終了後のアンケートに書かれた感想をいくつか紹介します。

・私たちも普段様々な人に手助けをしてもらいながら生きている。同じようにゆうじさんも介助をしてもらいながら生きている。一緒だと思った。自立というのは一切頼らないのではなく、上手に頼りながら自分で頼る部分を見極めながら生活していくことだと改めて感じた。

・ゆうじさんはユーモアたっぷり、アイディアたっぷり。「病気じゃないから」という言葉が大好きです。

・一生懸命聞いているとだんだんゆうじさんの言葉が聞き取れてきた。ひとことひとこと力強く話してくれてなんだか勇気がわいてきた。なんでもできるんだと。コンプレックスを壊していこう、私も頑張っていこうと思った。介助者もゆうじさんの言葉を正確に伝えてくれて、楽しくやっているようでよかった。

裕二さん、長井さん、みなさんお疲れさま


▲打ち上げの様子

▲疲れて眠り込む長井さん
今後は水俣のメンバーが東京に来る企画も準備中です。

演劇大学in仙台2007

2007.10.20 すずきこーた

 10/6(土)~8(月・祝)まで、仙台に行ってきました。日本演出者協会主催の「演劇大学in仙台2007」というところで、子どものWSをしてきました。
会場は仙台演劇工房10-BOXというところなんですが、これがまた、WSの内容に引けを取らずに面白いところです。

 まずランドスケープ。卸町というところにあり、卸町という位だから、周りに企業の倉庫みたいなものが沢山あります。というか、それしかない。住宅は一つも無いので夜は本当にコワイ。しかも仙台駅からバスも少なく、その上タクシーで行っても20分くらいかかるところ。そこに10-BOXというくらいなので、10個の大小様々なスペースを演劇活動の拠点として使われているんです。余っている別な倉庫(本当に倉庫のまま)を利用して演劇上演をやっている場合もあります。

 財団法人 仙台市市民文化事業団が運営しているので、様々な劇団が交流できる場でもあります。10個のスペースは稽古場だけでなく、大道具用作業場、会議室のような部屋、チラシ折り込み専用の部屋、など様々で、稽古場以外は無料で使用する事が出来ます。作業場も電気機材以外は無料貸し出し!

 別に僕は10-BOXの人ではないので、宣伝を過剰にする必要はないのですが、とても魅力的なスペースだったので、一度訪れてはいかがでしょうか?

http://www.gekito.jp/

 さて、肝心のWSですが、最終日にハプニング続出。3年生の子が、歯が抜け、その抜けている最中(ってへんな言葉ですね)に血をいっぱい飲んでしまい、気持ち悪くなってダウン(トイレでもどしてました)。
4年生の子は、雨が降っていたので地面が滑りやすく、トイレに行く時頭を打って転倒!
「ああ、もう発表会は出来ない…」
と思っていたのですが、3年生の子が「バレエの発表会の直前に、足を折って出られなかった。演劇はやりたい!」と2時間位寝ていたのに、本番では復活(その間の代役は、もちろん僕)!
その熱意を感じたのか、4年生の子も「全部は出来ないけど、ちょっとだけでもやりたい」と出演!

 ああ、良かった。別に発表会自体ができなくても僕は構わなかったのですが、「できない」という子どもたちの悲しい顔をみて別れるより、「やった」という嬉しそうな顔を見て別れられた事が、本当に良かったと思います。